1月21日(金)晴れ

 今日は落語教室を体育館で開催しました。一昨年までは4年生の国語の授業に絡めて、PTAの皆さんにご協力をいただいて開催していたイベントでした。昨年はコロナ禍で中止となったため、今年は5年生も一緒に参加しました。また、PTAが解散したため、担当された保護者の方々の助言をいただきながら、学校主催での初めての教室となりました。

 高座に上がっていただいたのは、10年来常一小にいらしていただいている、柳家千寿師匠。今日は、お馴染みの「寿限無」と人情噺の「しじみ売り」の二つのお題を中心に、落語の世界の解説を交えて楽しい時間を常一小の子どもたちにいただくことができました。

   

 感染拡大の状況下なので、子どもの数は40名ほどですが、体育館を会場に、寒い北風が吹いても換気して、パーテーションを設置して、十分な距離をとって…。もちろんマスク着用。おおよそ「噺を聞く」寄席とは程遠イメージでしたが、ご理解ある師匠にノリのよい高座を演じていただきました。

   

 子どもたちも「お江戸日本橋」の出囃子と共に高座に上がる師匠に遠慮がちでしたが、だんだんと温まってきて、休憩中のふれあいを経て打ち解けていったようでした。そこで、師匠がちょっとしたチャレンジで敢えて「大人の落語」、「人情噺」をご披露いただきました。子どもたちの反応は様々でしたが、最後までの穏やかに噺の世界に浸っているように見えました。「人情噺」の世界も落語の「オチ」も、今は理解できなくても子どもたちが成長していく中でわかる気が来ると、師匠から伺いました。

 そして、高座に夢中になってしまい短い時間でしたが、最後の扇子と手ぬぐいの所作についても教えていただきました。

 話すだけで川の幅を感じさせたり、雪が降るさまを想像させたりできる落語の世界。短い扇子が箸にも天秤棒にも刀にもなり、手ぬぐいがハンカチにも財布にも焼き芋にもなってしまう所作。語るだけで老若男女、いろいろな職業をイメージさせる話芸。短い時間でしたが、国語の教科書やCDだけでは感じられない日本の伝統芸能の奥深さを感じることができました。

 「『耳が遠い』とはどんな状態か?」という師匠の問いに「『耳が聞こえにくい』ことだ。」答えた子どもを誉めていただきました。「『耳が聞こえない』ではなく『耳が聞こえにくい』と言い換えられる感性」は、言葉を大事にする「落語」に必要なことだという言葉が耳に残りました。

 よい機会を与えていただいた師匠はもちろんのこと、常一小で築き上げてきた行事の伝承にご協力いただいた保護者の皆様にも感謝いたします。ありがとうございました。