2024.3.1(金)「3年生を送る会」講話
3年生のみなさん、「3年生を送る会」はいかがでしたか?
後輩たちのみなさんへの感謝の気持ち、また、みなさんの門出を祝福する思いが伝わったでしょうか? そして、牧中での3年間を振り返えりながら、卒業、そして卒業後の自分への決意を新たなものにすることができたでしょうか?
1、2年生のみなさん、ご苦労様でした。練習を重ねる中で、先輩を送り出すみなさんの思いが十二分にこもったパフォーマンスになったと思っています。特に合唱は、牧中の三本柱の名に恥じない気持ちのこもった暖かい歌声を聞かせてくれました。
さて、私からも3年生に一曲歌声をプレゼントしたいと思います。もちろん、私が歌うわけではありません。
ジャズのスタンダードナンバーで「オン・ザ・サニーサイド・オブ・ザ・ストリート」という曲です。日本語訳では「ひなたの道で」とか「明るい表通りで」という曲名で呼ばれています。今から90年以上前に発表された曲ですが、現在でも演奏され続けている名曲です。最近もNHKテレビの朝ドラ(カムカムエブリバディ)で重要な挿入曲として使われていましたから、聴いたことがある人もいると思います。
こんな歌詞で始まります。
♪コートをつかんで、帽子をかぶって
悩み事なんて玄関に置いて出かけよう
人生はこんなに楽しくなるんだもの (Life can be so sweet)
ひなたの道を歩けばね (On the sunny side of the street)
みなさんは、あまり聞いたことがない言葉かもしれませんが、日本人は昔から「お天道様に恥ずかしくないように生きる」という道徳観を大事にしてきました。「お天道様」とは「お日様=太陽」のことであり、人智を超えたこの世の全てを司る神のような存在のことです。だから、昔は子供が悪いことをすれば、親は「お天道様が見てるよ」とか「お天道様のバチが当たるよ」とか言って叱りました。また、悪さや恥ずべき行いをすることは「お天道様に顔向けできない」ことであり、「お天道様の下を堂々と歩けない」ことでした。
みなさんには、これから先どんなときも、お天道様の下を堂々と歩ける人間でいてほしい。いつも明るく暖かい日差しの降り注ぐ道を朗らかに歩いて行ってほしい。そんな気持をこめて、みなさんに「人生はこんなに楽しくなるんだもの、ひなたの道を歩けばね」と歌う「オン・ザ・サニーサイド・オブ・ザ・ストリート」をプレゼントします。
これから聴いてもらうのは、私の好きなルイ・アームストロングというジャズトランペッターの演奏とボーカルで1934年の録音です。彼のベストプレイではないのが残念ですが、YouTubeで日本語の歌詞が付いているものを選びました。読みながら聴いてください。
みなさんの前途が、いつも「オン・ザ・サニーサイド・オブ・ザ・ストリート」であることを祈っています。