生徒がつくる学校  

 

 今年の体育祭は、荒天のため1日順延して、6月4日(日)に開催しました。当日は日光が適度に雲に遮られ、心地よい風がグラウンドを吹き抜けるスポーツ日和で、昨年度よりも多くの保護者の方々にご来校いただきました。

 総合優勝の白組、応援賞の紅組、惜しくも無冠に終わった青組の生徒たちが、それぞれの場面で見せた涙に、彼らの真剣な取り組みが感じとれ、大変充実した体育祭であったと思っています。

 それから1週間ほどが過ぎ、校内を巡回していると、1学年のフロアの廊下に生徒たちが体育祭を振り返って書いた感想が掲示されていました。その中から一人の生徒の文章を紹介します。

 

 中学校の体育祭は小学校の運動会とは少し違った。そして私はとても成長することができたと思う。一つは友達と協力して1位をとることだ。小学校の時と比べて優勝したいという気持ちが強かった。それはなぜか。答えは今まで先生が何か行っていたのに対して「自分(生徒)」が司会や審判などをやることになったからだと思う。大変なことも多く、注意されてばかりのところもあったが、本番での失敗もなく、私の組(白組)は見事優勝することができた。

 中学校初めての体育祭では、たくさんのことを学び成長した。「生徒がつくる体育祭」は、優勝するとものすごく感動することもよくわかった。来年は1年生の手本になれるようにしたい。

 

 私は大変うれしく思いました。そして、勇気づけられもしました。本校では「めざす生徒像」として次の4点を掲げています。

(1)自ら学び、表現できる生徒

(2)自ら考え、行動できる生徒

(3)自らを大切にし、個性を認め合える生徒

(4)自ら健康的な生活を築ける生徒

 今年度、私の方針として、全ての項目を「自ら」という言葉で始めるよう改めた  目標です。本校の生徒は、穏やかで素直、何ごとにも真面目に取り組む生徒が多いけれど、そこに主体性、積極性という態度が加われば一層の成長が期待できると考えたからです。先生方も、この「自ら」という部分を大切にして生徒の指導を行ってくれています。その成果がここに紹介した生徒の感想に表れているように思いました。

 「生徒がつくる体育祭」の優勝でものすごい感動が得られるように、「生徒がつくる学校」でなら、生徒たちは中学校生活への喜び、充実感、達成感などをおのずから得ることができるでしょう。そして、そこにはきっと私たちが目標とする主体性も 育つはずです。私たちは、「生徒がつくる学校」の在り方を模索し、生徒たちに示していく必要があると思いを新たにした感想文でした。