にわか歌人の雪中日記

 

今回は2月5日の降雪の折に詠んだ拙歌三首を中心に学校の様子をお伝えします。

 都心では2年ぶりの積雪だったとか。5日、本校でも音もなく降りしきる雪が、次第にグラウンドを白く染めていく様子にしばし目を奪われました。外国生まれの生徒の中には雪を初めて見た子もいたそうで、本校に通う生徒の多様性について、改めて気づきを得る機会になりました。でも、どんな子供もやはり雪が降れば心が弾むようで、下校時には校門までの舗道に生徒たちの賑やかな声が響きました。

 

 うっすらと積もりし雪をかき集めさざめき合ひて下校する子ら

 

 校長室の窓から見ると、舗道横に倒してあるハンドボールコートのパイプに手を滑らせて集めた雪を投げ合って遊ぶ生徒の姿がありました。雪と聞けば交通の心配とか転倒の防止とか、大人には悩ましいことばかりが多いものですが、こういう子供たちの姿を大事にできる学校でありたいものだと感じました。

 6日朝、未明までの雪は細かい雨に変っていました。7時半に私が出勤すると校地内の舗道は、若い先生方が総出で雪掻きをしてくれており、あらかた生徒の登校に支障のない状態になっていました。

 

 息白く頬赤く染め雪掻ける若き教師ら頼もしきかな

 

 昔も今も変わらない光景です。なにかと学校への風当たりが強い昨今ですが、学校教育の多くの部分が、子供たちを第一に考える先生方の職業的良心に支えられていることは 確かなことです。手前味噌のようですが、このあたりはもっと社会的に評価されるべきだと思っています。

 登校時間。道路状況を各家庭で判断して登校するようお願いをしており、始業  時間を過ぎて登校しても遅刻にはなりませんが、前日の下校時と同じように生徒たちの賑やかな声が近づいてきます。

 

 校舎まで舗道外れて乱れ踏む足跡あまた積雪の朝

 

 せっかく先生方が雪掻きをしてくれた舗道ですが、どうしても生徒たちは雪の中に足を踏み入れたくなってしまいます。中には昇降口までの動線を大きく外れ、体育館の裏側にまで回っている足跡もあります。前日にも感じたことですが、やはり子供たちには、また学校にはこういう風景がよく似合います。

 そして、7日の朝は快晴。3年生の多くが公立高校の出願に出発して行きました。本来であれば出願期間初日である6日に各高校に向かう予定でしたが、5日の午後から大雪の予報に接した時点で変更を決定したのは成功でした。

 雲一つない青空が3年生の前途を明るく照らすようでした。がんばれ、牧中生!