令和6年度 SAKURAメンバーズ 12月
小金南中で桜島大根を育てています。メンバーは2年生9人のSAKURAメンバーズ です。
この大根は8月に種を蒔いて1月に収穫し、1月24日~30日の給食週間に鹿児島県メニューとして桜島の農家方が作った桜島大根と一緒に給食に登場します。そして、一番大きな桜島大根を1月に鹿児島県で行われる「世界一桜島大根コンテスト」にも出品します。
一昨年、22kgまで育った桜島大根を送ったのですが、大雪のためコンテストに間に合わず、残念ながら審査対象外となりました。(詳しくは 令和5年度 EDAMAメンバーズ 4月に書いています。)去年は先輩たちの想いも込めて、Cさんの「健」13.64kgを送りました。学校部門では5位という結果でしたが、桜島の地域おこし協力隊の方が選んでくださる特別賞の「地域おこし協力隊賞」をいただくことができました。今年もギネス記録を目指して、新しいSAKURAメンバーズの活動開始です。
12月23日(月)
今年最後のSAKURAメンバーズの活動です。
今日は、①虫取り②土を足す事③大根に保温のために土をかけること
この3つでした。
活動が始まってすぐ・・・あれ?大根が割れてない?
Kくんの大根が・・・何ヶ所かパックリ割れてしまっていました。
「先生!葉っぱも元気がありません!」「ええ・・・????」
用務員さんのSさんと顔を見合わせました。
急に葉っぱに元気が無くなり、病気になった大根が何本かありました。嫌な予感がします。
確かに葉っぱが「しなしな」になっています。
またまたSさんとまた顔を見合わせました。
もし病気なら、周りの大根まで影響があります。
この時期に・・・そんな気持ちで見合わせました。
「今日は、とにかく大根を消毒しよう」「はい」
消毒用の薬を水に溶かしてスプレーをすることにしました。
「Kくん、しっかり消毒してね」「はい」
そして他のメンバーは、新しい土を増やし、寒い冬休みに大根が寒さで割れないように大根に土をかぶせていきます。
何とか、出来上がりました。こんなに寒いのに、まだ元気な虫くんたちが活躍していました。
Hさんの大根。新しい大根も大きくなってきましたよ。
Tさんの大根も新しい大根が大きくなってきています。
Tくんは、2つの大根を育てています。
Oさんの大根、ゆっくりですが確実に大きくなってきました。
Mくんの大根、相変わらず順調にどんどん上に大きくなってきました。Mくんが小さく見えるようになってきましたよ。
Tくんの大根も、上にどんどん大きくなってきました。
植え替えた後、順調に育っているAくんの大根
Kくんの大根、みんなより2日早く種を蒔いたためか、大きく育ちましたが、ひび割れができてしまいました。今から消毒です。
Iくんの大根も、上に向かって伸びてきたので、顔しか見えなくなってきています。
今年の作業はこれで終わりです。みんなお疲れ様でした。
Kくんの大根がこのまま元気に育ってくれますように!
みなさま、良いお年をお迎えください。
12月6日(金)
いよいよ、抜く日になりました。
他のメンバーが先にやってきました。
「先生、昨日からHが、話さないんですよ」「仕方ないよね」「でもお母さんに言われたみたいです」
そこにHさんがやってきました。
「お母さん、なにか言ってくれたの?」「はい、大根は一人で育ててるんじゃなくて、みんなで育ててるんでしょうって言われました。」
気持ちの整理が付かない彼女の事を一番わかっているお母さんが、背中を押す助言をして下さいました。
お母さんすごいなあ・・・。
「もう大丈夫です!」「そっか!じゃあ、記念撮影しよう」
「は・・い」
心なしか・・・暗い・・・。
「じゃあ、抜こう」「抜く・・はぁ~~」「大丈夫?」「・・・・」
しばらく待つことにしました。
「Hさん・・・そろそろ抜こうか?もう暗くなるし」「は・・い」「抜くよ~!」
「抜けない・・・」「葉っぱ全体を持って大きく前後にゆすってみて」「はい」
みんながHさんを心配してきました。「あ・・抜けた!」
こんなに大きくて立派な葉っぱですが・・・・
抜くと、Hさんはすぐに包丁で切り出しました。
すると、こんな曲がった葉っぱが出てきました。
半分に切ってみると・・・中は・・・。
え・・・大根の中に、葉っぱが折れ曲がって入り込んでいました。
農家の成嶋さんから、たまに奇形の野菜もあるんですよ。と言われていましたが、私も初めて見てビックリしました。
Hさんは、大根の皮を剥き、切り始めました。
そして、他の人は大丈夫かな・・とみんなの葉っぱも持ち上げて確認していきました。
すると・・・もう一人心配な人がいました。
Tさんの大根です。
同じように葉っぱの根本が溶けていました。
「Tさん・・危険だから抜きましょう」「はい」Tさんは即納得。
え・・本当にいいの??
記念撮影を・・・パチリ
「T!ピースしちゃだめだろ」周りからの声。
そして、同じように抜くことに・・。
そして・・切ってみました。パカン。
あ・・・やっぱり・・・。中は空洞になっていました。
気持ちは癒せませんが、二人の大根は抜いて正解でした。
「じゃあ、予備の畑の大根をHさん、Tくん、Tさんの3人、3個に減らしてここから育てよう!
そして他の人たちは抜いた畑に消毒用の苦土石灰をまくので土を全体に混ぜてください。」
「は~い!」
ここからはいつものように、みんな本当に気持ち良く働いてくれました。
抜いて消毒した畑は、植え替えずこのままになります。
これは、予備の畑です。とうとうあんなにいっぱいあった大根が3本になってしまいました。
ここまで大きくなっていると、下の根を傷つけてしまうので予備の畑でこのまま育てることにしました。
そして、TさんとTくん丁寧にスコップを洗ってくれました。
色々あったここ数日ですが、みんなが協力し、他のメンバーの気持ちにも寄り添って頑張っている姿は見ていても気持ちが良かったです。
本当にありがとう。
こんなにみんな頑張っているんだから!絶対うまくいかないわけないよ!
後、1ヶ月半。大切に大切に育てましょう!
12月5日(木)
11月末に、Hさんの大根の根本の葉っぱが茶色で溶けているような状態になっていたので、抜こうか・・どうする?
そう相談していました。
5日に授業にも来てくださったあじさい農家の成嶋さんが学校に来てくださることになっていました。(あじさい葱の調理実習でした)
事前にお電話をして「その日の朝、5分だけでもいいのでHさんと話してもらえませんか?」とお願いしていました。
Hさんが、緊張してやってきました。
玄関で、2人で真剣に話しが始まりました。
「1時間でも話せます!」と言っていたHさんですが、いざ、成嶋さんの前では殆ど声が出なくなってしまいました。
成嶋さんからは、病気になりかけているのなら、周りの大根にもうつすこともあるから、農家であれば抜いてしまう選択をする。というような説明をしてくださいました。
聞いているHさん・・・だんだん目が赤くなってきました。
成嶋さんもHさんの真剣さがわかっているので、「気持ちは本当にわかるんですよ。大切に育てた大根だから抜く決断をするのは本当に辛いと思うんです。でも、ひどくなってからだと取り返しがつかなくなるから」
そんな話を丁寧にしてくだいました。
Hさん、納得は出来ないけれど、仕方ないとは思ってくれたようです。抜くのは・・・「明日ね」そう伝えて今日は気持ちを落ち着けてもらうことにしました。