学校のSDGs

 学校現場に「働き方改革」への取組が求められるようになって久しくなります。

 本校においても、昨年度からの勤務時間外の留守番電話設定と欠席連絡等のデジタル化に続き、今年度からは定時退勤日の導入、部活動時間の縮減、保護者宛て文書のデジタル配信を実施し、先生方の業務負担の軽減に取り組んできました。2学期末、これらの方策のうち今年度から実施した部活動時間の縮減と文書のデジタル配信について保護者の皆様を対象とした評価アンケートを行い、68名の方から回答をいただきました。

 今回は、その結果のフィードバックです。

 まず、部活動時間の縮減については、42名(72%)の方が「よいと思う」と回答されました。「よくないと思う」と回答されたのは7名(10%)で、全員お子様が部活動に加入されている方でした。部活動の意義や教育効果、近隣中学校との活動格差などを反対の理由とされていました。

 部活動に関しては、文部科学省が示している地域移行も含めて、今後の在り方についても併せてご意見を伺いました。記載のあった58名のうち約3分の1の方が地域移行に 理解を示されていましたが、部活動が完全に学校の枠組みから外れることには、不安を感じていたり慎重さを求めたりする意見が複数ありました。また、学校として部活動を  もっと盛んにするべきという意見がある一方で、家庭生活や他の活動とのバランスを考えてほどほどにという意見もあり、今後は子供たちの意見も聞きながら、部活動の在り方について検討と改善を図っていきたいと考えています。

 次に文書のデジタル配信についてですが、63名(92%)の方が肯定的に評価してくださり、自由記述でもペーパーレス化に共感する声を複数いただきました。

 以上、いずれの方策についても概ね肯定的な評価をいただけたと考えていますが、賛否以外にも様々なご意見がありましたので、それらを参考にしながら改善点を検討しつつ、当面は現在の方策を継続してまいります。なお、アンケート結果の詳細については、学校のホームページ(校長室から)の中で公表しておりますのでご確認いただければ幸いです。

 さて、本校に限らず学校の働き方改革の方策について議論をすると、大人の都合を優先して子供にしわ寄せがいくのはいかがなものか、といった論調を耳にすることがあります。しかし、私はここで「大人の都合」をしっかり考えて、優先的に策を講じておかないと、「子供へのしわ寄せ」はより深刻なものになると思っています。

 「ブラック」とも形容される労働環境の厳しさから、教員を志願する若者は減少の一途をたどっており、千葉県も含めて全国各地で教員不足が課題になっています。子供を教える先生がいないことに勝る「子供へのしわ寄せ」は他に考えられません。教員が土日曜日に休めること、「定額働かせ放題」と揶揄される残業を強いられずにすむことのために今手を打たなければ、日本の学校教育は教員不足で行き詰まります。

 学校現場でできることには限りがあります。地球の持続可能性を広げるためにSDGsがあるように、学校教育の持続可能性のためのSDGsも社会全体で考えていかなければならないでしょう。次世代の子供たちに「しわ寄せ」を残さないためにも。