休み時間になると、元気に子どもたちは校庭に出て遊んでいます。

 先日お伝えしたように、ドッジボールをやっている子どもたちもいますが、今日の校庭では6年生の男の子と先生がキャッチボールをしていました。キャッチボールというか強いボールの投げ合いで、力比べをしている感じでしたが、6年生が投げるボールの強さを侮ってはいけません。気をつけないとけがします。

 ふつうキャッチボールというのは、ボールを投げる基本の練習。相手の取りやすいところにコントロールして投げる練習です。何でも基本が大切ですし、その基本を大切にすることでより高度なこともできるようになるのだと思います。

 みなさんご存じのイチロー選手はキャッチボールなど基本の練習に毎日きちんと時間を費やしていましたし、道具を大切にしていたことでも有名です。

 また、先日の新聞報道の中でもプロ野球選手のキャッチボールの話題がでていました。一流選手になると、キャッチボールをするだけで相手がどんなボールを投げるのかがわかるのだそうです。すごい選手は日頃からキャッチボールという基本をものすごく大切にしているということなのでしょう。きっと1球1球ていねいに、ボールの回転や伸びなどを意識しながら投げることで、特別な技術を身につけていくのです。たかがキャッチボール。されどキャッチボールです。

 少し説教じみてしまいますが、こういったことからも、どんなことでもひとつ一つ丁寧に、意識してその時を大切にして一生懸命に取り組んでいくことがやがては大きな成果につながっていくということなのだとわかります。

 ボールは使いませんが、「言葉のキャッチボール」というのもあります。相手が放った言葉をきちんと受け止め、また言葉を返していく。きちんとしたコミュニケーションをとるためには、大切なことです。言葉のドッジボールではダメなんです。相手に合わせたスピードで、速すぎても受け止められないし、遅いと届きません。変な方向に投げたら取りにいかなければならず、会話が弾みません。

 相手がきちんとキャッチしてくれることを期待するのではなく、こちらから投げるときも取りやすいボールを投げるのです。プロのようにはいきませんが、どんな相手にもよいボールを投げ、またどんなボールもきちんと受けとめ、また相手にちょうど届くようにボールを投げ返すことができたらよいなぁと思います。

 そのように考えると、言葉のキャッチボールではどちらかというと「投げる」ことよりも「捕る」ことの方が大切なのかもしれません。

 休み時間の校庭を見ていて、キャッチボールも日常の会話も同じで、相手のことを考えること、つまり思いやることなんだと思いました。